このレビューはネタバレを含みます
モノクロの映画は、雑味を極限に削ぎ落とし、ストーリーの根幹がよく見えるようになる気がする。
もし、この作品がカラーだったら、メキシコのビビッドな色彩で、ストーリーが喧騒に塗れていることでしょう。
ある家族と、使用人クレオの物語。
クレオは思いがけぬ妊娠をし、クビになることを恐れるが、色んな事情が重なって家族との関係を深めていく。
この家族も、父親の不在、別居を受け入れ、前に進んでいく。
自分の身に起こる「喪失」、家族の「喪失」、身近におこる「喪失」、でもそれを持ってあまりある「愛」が本当に奥深い。
細部までよく考えられて作られており、何度見ても新たな発見がありそう。
一人でウイスキーでも飲みながらじっくり観るのにオススメ。