109mania

記憶にございません!の109maniaのレビュー・感想・評価

記憶にございません!(2019年製作の映画)
4.0
三谷幸喜のコメディードラマは大好き。この映画にもたくさんのいいところが盛り込まれていた。
一つはやはりキャスティング。必ずしもコメディー一筋ではない大物役者達が、笑うべきところでしっかり笑わせてくれたし、ここぞというところでしんみりとさせてくれる。
もう一つは音楽。オープニングではパーカッション主体のリズミカルな音楽で、コミカルな世界観に一気に引き込んでくれる。エンディングも期待に満ちあふれる軽快なマーチで映画館から日常世界に送り出してくれる。私の知る範囲では、三谷作品ではあまり歌詞を伴う音楽を使わない。そのかわりオーケストラを使ってしっかりと音楽づくりをしている印象だ。私はそんな映画音楽が大好きで、三谷作品が好きな理由の一つでもある。
そしてさりげなく心に刺さる大切な言葉。中盤ぐらいだったか「背負ってきたしがらみから解放され、好きなように出来ることはチャンス」といったようなことをデキる秘書、小池栄子に言わせているが、これがアラフィフ世代のサラリーマン(私)にはめちゃめちゃ刺さる。職場においても、家庭においても「なんか変わりたい」と思わせてくれた。

気負わず楽しめる極上エンタメ映画でした。
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