先日見た「落下の解剖学」もフランスのサスペンス、本作品もそう。ネタバレになってしまうかもしれないが、共通しているのは、答えを提示しないところ。この寸止め感がなんとも言えず、私の心を掴んでくる。
解剖学では容疑者とその周囲の人たちの内面を描いていたが、こちらは捜査する人たちの内面にフォーカスが当たる。
一生懸命に事件の解決に取り組んでも必ずしも成果に結びつくとは限らない様子がよく伝わってきて、起こってはならないと思いつつも、違法捜査や違法な取り調べが起きてしまうこともに妙に納得してしまった。
人が入れ替わった組織には少しずつ変化が生まれ、そこで働く人たちにも少しずつ気持ちの変化も生まれてくる。
人間クサさに寄り添いたくなる秀作でした。