109mania

52ヘルツのクジラたちの109maniaのレビュー・感想・評価

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)
4.0
 昨日、日本アカデミー賞の様子をテレビで見ていた。注目していた主演女優賞。市子の杉咲花を推していたが最優秀に選ばれたのは、安藤サクラ。納得感がないわけではないが、杉咲花の演技にはもっと注目が集まって欲しかった。
 そして日が明けて今日、朝イチから本作品を鑑賞したのだが、やはり、と思った。やはり杉咲花は覚醒している。

 作品のテーマは絆、ありふれているようだが一味違うのは、その絆を時に断つ必要があることを肯定的に描いている点。映画「ロストケア」でも描かれているように家族の絆は時に呪縛となって人を苦しめる。それを断つことで新たな人生が開けるということを、決然と描いている点にとても好感が持てた。そしてこの作品では、断つ一方で、たくさんの絆を新たに結ぶ場面も描かれる。いずれも杉咲花の好演で、素晴らしいシーンとなっていた。
 
 空港の杏ちゃんの母との会話のシーンは泣いた。というか杉咲花の芝居に泣かされた。
 次は99.9のような、ちょっと弾けたような違ったキャラを演じる杉咲花を期待してます。
 
 
 
109mania

109mania