ガーコ

永遠の門 ゴッホの見た未来のガーコのレビュー・感想・評価

4.0
ゴッホって、日本人からすごく愛されているけど、意外と彼の生い立ちって知らないかも…!

これまで、なぜ彼の人生があまり知られてこなかったのか…
その理由がなんとなく分かってしまった映画でした。

多分みた感じ、結構精神病んでるように見えてるから、人としてあまり受け入れられなかったんじゃないかしら?
周りの人から疎まれている姿が切ないけれど、彼の人生には絵があったからここまでやってこれてきたんでしょうね。

そして、彼にとって絵を描くことは、安らぎであり、心の拠り所だったのではないでしょうか。
だから、どんな絵を描こうと、絵を描いている間だけは誰にも邪魔されたくないし、口出しして欲しくもないという感じ。

人から貶されようが、石を投げつけられようが、絵に才能がないと言われようが、絵を描くことは、彼にとって必然なこと。
今自分が絵を描いていることは、神から託された運命なんだ的なことを平気出口にできるから凄い!
やっぱり天才って、周りにとやかく言われて気にするような、そんな柔な性格では務まらないのだろう。

天才って、まさにゴッホのような、絵を描くためだけに生まれたような人を言うのではないでしょうか?


それにしても、この映画の雰囲気はかなり独特…。
セリフが少ない。
常にゴッホ目線でカメラワークが、進む。
唐突な場面展開。
などなど、理解に時間を要する。

特にセリフの少なさは際立っていて、多分こうなんじゃないかな?と、常に予想を立てながら観ている感じでした。
また、カメラワークも、ゴッホの視力の悪さを表現しているのか、レンズの曇りやら歪みがあって若干見にくかった…。

これはまさに考えるな、感じるんだと言っているような雰囲気…。゚(゚´ω`゚)゚。

そして、ストーリー展開があっさりし過ぎな感じ。
ドラマチックさを求めるとまではいかないけど、起承転結がもう少しあるともっと盛り上がったかもしれません。

しかも自分で考えないと、答えが見出せないという難解な解釈を求められていく…。
観る前は、もっとセリフが多くてわかりやすいのかと思っていたけど、これは意外とマニアックで大人向けな映画。

そんな難解な作品ですが、映画の中の風景や出演されていた方々が、とても素晴らしかったことは事実!
ゴッホの描く絵の色彩の鮮やかさや、絵のモデルになった人の魅力的な姿は、観ている人の心を魅了してくれます。
まるで、絵から風景が飛び出してきたかのような、幻想的な景色に合わせて、ゆったりとした芸術的な音楽との融合。
この奇跡のようなコラボは、私の心をがっしりと掴んでくれました( ^ω^ )

そして、ゴッホを演じたウィレムデフォー氏の姿が完璧すぎて感動しました。
その痩せ細った姿、寂しげな瞳、絵を愛する姿などなど、ゴッホが生まれ変わって現れたかと錯覚するくらいそっくり!
彼の天才的な演技力が、この映画の世界を存分に引き出していました。

この映画はストーリーを楽しむのではない、そこに映し出される、人、物、風景などを感じとる映画なのでしょう。

素敵な作品をありがとうございました(^ ^)
ガーコ

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