Dumbo

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語のDumboのレビュー・感想・評価

4.5
遅ればせながら、コロナ自粛後初めての映画館での鑑賞です♪

あ〜!やっぱり映画館はいいなぁ〜✨
大きいスクリーンと、大きい音を聞いただけで
泣きそうなくらい嬉しくなりました😊

この作品は前からクリップしていて、
公開を楽しみにしていたのに、公開が延びたので💧
自粛後初めて映画館で観るのはこの作品と前から決めていました。

観る前から、きっとこれは私は好きだろうなぁ
って思ってたけど、やっぱり好きでした✨

子どもの頃に夢中になって読んだ本が、
この作品の原作「若草物語」と「赤毛のアン」
でした。
若草物語はメグ、ジョー、ベス、エイミーの四人姉妹の物語で、原作者のオルコットがジョーを自分のモデルとして書いた自伝的小説です。
四人姉妹、一人一人個性があって、
四人のうち、どの子みたいになりたいか、どの子に共感するか、そういう事を自分の中で考えながら読んだのを覚えています。
私は姉妹の長女なので、メグに一番共感を覚えながら…
ジョーのような子にも、憧れながらも…
私はおそらくキャリアウーマン(死語?)にはなれないからジョーのような夢は持てなかったのかもしれない。
そして、自分のことを顧みず、人のために尽くす天使のようなベスが一番好きだった。

今の私は誰に一番共感するのかなぁと
思いながら観ていたら…
自分でも意外だったけど、一番共感したのは
四人の娘たちではなく、ママでした!

映画でも本でも、同じ作品でも観たり読んだりする年齢や立場などによってずいぶん印象が変わるものなのですね。
今の私はすっかり映画の中のママの気持ちで、
四人の娘たちを見ていました。

若草物語を知らなくても十分楽しめますが、四人姉妹での物語であることと、四人の名前くらいは覚えてから観たほうがわかりやすいと思います。


「ストーリー・オブ・マイライフ」が原題かと思ってたので、「わたしの若草物語」の部分はいらんやろ、と思ってたら…
原題は「little women」
原作本の若草物語の原題もlittle womenでした。
日本での題名がなぜ「若草物語」になったのかな?
原作本を持っていますが、そのあとがきに、
原作者オルコットの父が、幼い娘たちを呼ぶのにこの「little women」を好んで使っていたことからこの題名がつけられたと書かれていました。

little women
  小さいながらもりっぱな婦人たち

女性の社会進出が認められていなかった時代、女性は結婚して家で家事や子育てをするのが当たり前と言われていた時代に、お父さんがこんなふうに娘たちを呼んでいたなんて、素敵ですね!

あと、これもあとがき情報ですが、
この若草物語の家族のファミリーネーム「マーチ」(3月)は
原作者ルイザ・メイ・オルコットの母方の姓「メイ」(5月)から連想してつけられたのだそうです。

この作品は、グレタ監督が大人になってから
もう一度「若草物語」を読んでみたら、
驚くほど現代的だと感じたことから作られたそうです。

確かに原作の良さを生かしながら、現代的なところを強調して、うまく出来ているなあと思いました。
19世紀の小説を21世紀に合うように変身させた!
特にラストを観た時に、
この作品は「若草物語」であって、若草物語とは別の物だよ!これは「私」の物語、
ストーリー・オブ・マイライフなんだよ!
ということが、
とても上手く表現されていました。

ただ、他の方も書かれているように、大人になった現在と過去(少女時代の回想シーン)を行ったり来たりするので、少女時代のシーンになったら基本回想だと思って観ないと、え?ってなるところがあるかもしれないです。

キャストもみんなぴったりな役だったと思います。ただ、私のエイミーのイメージとはちょっと違う気がしました。
エイミーは天真爛漫な末っ子だから、
フローレンス・ピューはちょっと落ち着き過ぎていたかも…

私は本が大好きなので、
最後の、本が出来ていくシーンが大好きです。
すごくマニアックですが💦
一冊一冊、手作業で製本されてた時代
布の表紙もいいなぁ…
私の大好きな絵本「ルリユールおじさん」
を思い出しました。
 

 悩みが多いから
 私は楽しい物語を書く

オルコットの気持ちをそのまま映画にしたような
愛情いっぱいの素敵な作品でした。




(ここからは、2020年7月4日 2回目の鑑賞後  
 に思ったことを追記しておきます。)

2回目観てやっとわかったのですが、
レビューで書かれていた方もいたように、
過去のシーンはちょっと暗いセピア色になってて、現在のシーンははっきりとした明るさで、
光の色合いが違っていました。(前回は気が付かなかった💦)

ベスやフレデリックが弾くピアノはもちろんですが、全体を通して流れている音楽が美しい。

ラストがやっぱり素敵だった!
ヒロインは結婚するか、死ぬか…
そうでなければ本を出版してもらえない…
そんな時代へささやかに抵抗して
生涯独身だった原作者のオルコット。
彼女の本当の幸せの形を
リスペクトをこめて映画のラストにこめた監督、
素敵だなぁと思います。

それから、前回のレビューで、
エイミーだけがイメージと違うと書きましたが、
今回は、あのフローレンス・ピューのエイミーがむしろすごくいいなぁと思いました。
ここでのエイミーが原作のエイミーより
すごく好き。
特に、驚き方が4人の中で一番大袈裟で、
それがめちゃくちゃ可愛いかった!

エンドロールの最後の最後まで観終わった時、
とてもあたたかい気持ちになりました。
Dumbo

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