すずき

恐怖の報酬 オリジナル完全版のすずきのレビュー・感想・評価

3.3
うーん、凄い映画だ。
特に中盤の、嵐の吊り橋をトラックで渡るシーン。
たとえニトログリセリンが積まれてなくても、充分危険過ぎて「ヒェッ...」って声が出てしまった。
このシーンだけでも見る価値はある!
どうしてコッポラといい、ヘルツォークといい、キ○ガイ監督はジャングルで無理な撮影をするのか。

そんなスゲー映画なんだけど、良くなかった所もいくつかあった。
まず序盤の、主人公達4人(ギャング、殺し屋、銀行マン、過激派)が危険な仕事を引き受けるまでのストーリー描写。
一人一人のバックストーリーを語るので、冗長に感じた。
最初、誰が主人公かも分からん状態で、場面変わるわおっさん多いわで、どこに注目したらいいかも分からんかった。
最初に危険な仕事を受ける所から始まって、どうしてこうなったか、という見せ方のほうが分かりやすかったかも。

あと先述の吊り橋シーン、中盤の見せ場なのも、良くなかった。
どう見てもクライマックス級の盛り上がりなんだけど、その後に倒木に道を塞がれる、というスケールダウンしたイベントがあったりで盛り下がる。

そして1番良くなかったのは、主人公達の1人、殺し屋の存在。
さっき一人一人のストーリーを語る、って言ったけど、こいつだけほとんど語られなくて謎。
主人公達の1人に、刺客に追われ逃げてきたギャング、というキャラクターがいるから、殺し屋は彼を追って来た、と考えるのが映画の文法的に当然でしょ?違うんだなぁ、コレが。
殺し屋はおそらく、たまたま居合わせた、ギャングとは無関係な殺し屋でした。
ミスリードかな?とも思ったけど、ミスリードを誘う意味も特に無かったし、ホント謎。