Nana

37セカンズのNanaのネタバレレビュー・内容・結末

37セカンズ(2019年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

自分で出来るのに、親心から手を貸してしまう母親。
その行動が子どものプライドを傷つけ、反発を誘う。
親という支えであり呪縛でもあるものから飛び出すことは、「障害があってもなくても」難しい。
だから、誰しもがちょっと共感できる。そしてユマのことを身近に感じる。

現状を変えるために飛び出した先でユマが出会ったオトナたちは、彼女を特別扱いをしない。
搾取をされ続けていると分かっていてもサヤカから離れられなかったのも、一見対等な一個の人間として扱ってくれていたから。(実際は違うんだけど…)
母親やリハビリ担当者とは全く違う接し方をしてくれる、一個人として自分を扱ってくれる存在。

飛び出した結果であったユカ。
彼女の言った「怖かった」は、何が怖かったのだろう。

ちょっとの違いで道が別れたユマに、なじられたり羨ましがられることじゃないのかな。
ユカにとっては「お母さんにとって一番大事」な存在であったユマは、それはそれで羨ましかったんだろう。
そんな存在に自分たちの違いについて言われたら…それは怖い。


ケアをされる立場の人だけではなく、ケアをする立場の周囲の人の苦悩も描いた、深みのある映画だった。
気になったのは、パスポートを持っていることに違和感があったこと。あの母親がパスポート取らせるのか…?
Nana

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