足拭き猫

天竜区奥領家大沢 夏の足拭き猫のレビュー・感想・評価

天竜区奥領家大沢 夏(2014年製作の映画)
4.3
良い語り手がいるだけで素晴らしいドキュメンタリーになるんだという見本のような作品だなぁ、と。
堀監督は本当は「夏の娘たち」をここで撮りたかったんじゃないかと思った。芳醇な沢や雨や雲が様々な形でたゆたう山並みや道祖神や、村の外から一時的にやってくる人たちの話が後の作品につながっていったんだー、と発見がいっぱいあってかなり興味深かった。
迎え火はお盆じゃなくて戦没者を供養するため。代々続いてきた銅鑼を鳴らすのは村中に響かせたいので本当は外だけど、腰の曲がったおじいちゃんたちには重いから持ち出すのは大変だよなぁと思いつつ、結局は持ち出されていた。軍歌のようなお経はいつからなんだろうか。
正午と17時と21時に鳴る放送の音楽が毎日の営みの中で花を添えていた。