回想シーンでご飯3杯いける

シエラ・バージェスはルーザーの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

4.0
「ストレンジャー・シングス」にも出ていたシャノン・パーサー主演の、Netflixオリジナル・ティーン・ムービー。

彼女が演じるのはルーザー。日本語で言うと「負け組」で、所謂スクールカーストを背景にしたストーリーなんだけど、いやいや、主人公のシエラに関しては、決して負け犬ではない。文筆の世界で有名な両親を持つ彼女は、文学や哲学に明るく、国語の先生からも一目を置かれる存在。SNSで多くのフォロワーがいる事が自慢のいじめっ子リーダー、ベロニカにも持ち前の知性で対等に勝負できる。その辺の設定が、類似作品と違って面白い。

そんな彼女もちょいぽっちゃりなコンプレックスもあって恋愛とは縁がない。しかし、ちょっとした運命の悪戯からベロニカに言い寄ってきたイケメンと仲良くなるチャンスが訪れる。

三角関係から始まるシエラとベロニカのちょっと奇妙な友情物語は、人物設定から来る文学的なテイストが良いスパイスになって見応え十分。他の女子向けティーン・ムービーと違って、いじめっ子の家庭環境にスポットを当てたり、イケメン役の知的な一面を描いたり、大人の鑑賞にも耐え得る内容になっている。シエラの内面にも醜い部分がある事をちゃんと描いているのもポイント。

アリー・エックス、サブリナ・カーペンター等、注目の女性シンガーによる挿入曲に加え、劇中でシャノン・パーサーも歌を披露。これがなかなか良いのだ。