ひでG

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4.0
この映画の続編を昨年観ているので、
お父さん、お母さんとも顔馴染み。
親戚か、ご近所のお爺ちゃん、お婆ちゃんを見てるみたいです。

続編のレビューでも書いたかもしれませんが、この記録映画は本当に身につまされる、自分ごととして観ちゃうな、、

自分ごとの意味もこの歳になると、2面あります。
子どもとしての親の問題と、近い将来必ず訪れる自身の問題です。

この夏、七回忌をした実母は、70代に認知症を発症しました。最終的には僕らの名前と顔が一致せず、夢の世界で自分が子どもになることも多く、あまり苦まず(こちらから見ての判断ですが)逝きました。
そんな母ですが、初期段階では、この映画のお母さんのように、感情爆発を何度か起こしていました。

こんなことがありました。
お正月に孫も参加して、みんなでトランプをやっていた時、温厚だった母が突然、烈火の如く怒り出したことがありました。
「私だけ除け者にしている。」「みんな、私をバカにしている!」と、最後は大泣き。

信友直子さんのお母さんも強く、逞しく、器用な方だったんですね。
私の母もそうですが、それまでの人生で、様々な困難に立ち向かい、よーやく平穏な日々を送れると思った矢先、神様は酷い仕打ちをするんですね。
その人から最も大切な自信や経験や自分らしさを奪っていくのですから、、、

きっと、その立場になったら、今まで立っていた足場が急になくなり、下は断崖絶壁💦
怖いでしょうね、苦しいでしょうね、、

カメラを回し続けた信友さんもきっとお辛かったでしょう。
涙を堪えて、多くの方々と共有するために、ファインダーからお母さんをのぞき、編集作業で何度も変わり果てた姿を見なくちゃいけなかったのでしょう。

ドキュメンタリーの場合、撮る側と撮られる側の関係性がとても重要ですが、
この場合、撮る側も当事者なんですよね。当事者(家族)としての愛情とか思い出とか心配や絶望や様々な感情をもフィルターを通して、画面の被写体(お父さんやお母さん)に投影されているのが、このドキュメンタリーの秀でているところたと思いました。

老ってかくも辛いものなんですね、、

若い人は関心が薄いかもしれませんが、アマプラに両作ともあるので、観て欲しいですね。

さあ、僕自身も頑張るぞ、💪
ひでG

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