ひろくん

Girl/ガールのひろくんのネタバレレビュー・内容・結末

Girl/ガール(2018年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

正直「またトランスジェンダーないしLGBTQかー……」というのは否めない。もはや国際的な映画祭で高い評価を受けるためにはこのような“問題意識”が不可欠で、映画は一つの鉱脈を見出したのだ(一応断るとこれは皮肉です)。この作品に関して言うと「血のつながった父親といえど他人であり、究極的には自分の困難は自分の力でどうにかするしかない」という身も蓋もなさがあり、その「どうにかする方法」もまた「だってそうするしかないでしょ?」と言われると納得の一言。それはそうなのだが、胸糞はとても悪い。悪い上に「映画として成り立たせるため」以外にこの方法はとるべきではなく、私はトランスジェンダー当事者ではないので推測ではあるものの、リアリティと正義のどちらも欠けた結末のように思われる。様々な意味で過剰な政治性を帯びている。あからさまに狙ったカメラワークはむしろ意味を貧しくする。そこまで賞賛すべき作品とは思わなかった。
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