来世はおしるこ

Girl/ガールの来世はおしるこのレビュー・感想・評価

Girl/ガール(2018年製作の映画)
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すんなり再生ボタンを押せたのはロマンス映画じゃなかったからなのかもしれない

なぜバレリーナになりたいのか、なぜ母親がいないのか、9つ離れている弟、引っ越す前のこと、色々なことが語られず鑑賞者も(父や同級生同様)ララの全容が見えなくて自分の中で落とし所を作ろうとしても作れない、そんなモヤモヤが主人公のモヤモヤとリンクしているような構図が良かった、さらにそこに突き刺してくるラストシーン、もう何も言えなくなる

特に電車の中や街中のカットが印象的だった
引きのショットだと背格好が他の男性たちと馴染んでちょっと違和を感じる、バストショットくらい近づくと女性らしさが感じられて鑑賞者も落ち着いて観れる
そしてその間くらいのショットの不安定感がすごい、ちょうど気になる男の子の部屋の後のシーンだったと思う、自分はどっちでも無い、中途半端だっていう絶望感があの電車の中のミディアムショットでも描かれてて見入った

それとやっぱり主演がすごい、でもだからこそ役者と役の間のジェンダーの不一致に人の目がいってしまうんだと思う
一致してなきゃいけないなんて思わないけど、ことジェンダーに関してはたぶん多くの人にとって見聞きしてきた量が少なくてカメラの向こうとこっち側でうまく線引きができないのだろう

総じてとても良い映画、スキップした新作も降りてきたら観たい
来世はおしるこ

来世はおしるこ