Haruna

グリーンブックのHarunaのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.5
久しぶりの映画館。
最近どんな作品でも睡魔に襲われてしまう…重度の寝不足と集中力の欠如なのか…

なのでこちらもDVD出たら再鑑賞予定。

まずは映画の舞台として好きな60年代の作品なのでそれでテンション上がってました。
知識なんてほぼゼロの私でも分かりやすい映画だった。さすがアカデミー作品。

特に凄いのは会話のセンス。
だいたい文化や言葉の違いで笑うポイントでも笑えなかったりするけど、今回はたくさん笑った!
間のとり方や主人公たちのキャラクター、どれをとっても単純なのに笑える。
それはやっぱり脚本やらなんやらでものすごく丁寧に作られているからなんだろうな。

作品として差別と男の友情を上手い具合に織り交ぜながらテンポよく進むのも良い。
差別に重きを置きすぎて深刻にし過ぎず、
コメディタッチにして軽くし過ぎず、
交互に、少し忘れた頃に差別要素を見せたりと構成がすごく良くて飽きずに観れた。
その落差がある事でより差別が際立ってもいた。

また、トニー(白人)の性格や人柄は全く変わっていないのに価値観(黒人に対する考え方など)が変化しているのを上手く表現していて素敵だった。
そして終始強く優しい奥さん。ある意味1番差別とは遠い人な気がした。

この作品もとても対比がされていて
黒人↔白人
ピアニスト↔ドライバー
富裕層↔貧困層
教養人↔学が浅い
センスがある↔不器用
正直者↔デタラメが上手い
などなど他にも沢山あるけど対比が多く正反対のキャラクターだからこそ磁石のようにピッタリと息のあったコンビになってた。

2人で相談しながら奥さんに送る手紙を書いてるシーンとラストはめっちゃ笑ったし感動した。最後は泣いてしまった。

差別表現のシーンで
車がエンストした時に奴隷の人たちが
奇妙に彼らの様子(黒人が白人を従えている様子)を眺めていたのが印象的だった。

一緒に観ていた人が「グリーンブックだから次はちゃんと緑に注目して観たい」と言っていて目の付け所がさすがすぎて脱帽した。
ちゃんと世界史の知識があったり
独自の視点で観ている所はほんとに尊敬。
負けてられない。
Haruna

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