ナツミオ

華氏 119のナツミオのレビュー・感想・評価

華氏 119(2018年製作の映画)
3.9
WOWOW on demand鑑賞

”不公平と貧困と…
 失われた民主主義の悪夢“

“私たちはそれを知るべきよ”

現代のアメリカのヤバさ加減。
是非観て考えてほしい、“あの”マイケル・ムーア監督のドキュメンタリー作品。

2016年11月9日、ドナルド・トランプがアメリカ大統領選を制し、勝利を宣言。世界中が驚愕したこのまさかの結果のからくりにマイケル・ムーア監督が鋭く迫ったドキュメンタリー。

原題 『Fahrenheit 11/9』

2018年米作品129分
監督・製作 マイケル・ムーア
製作 カール・ディール メーガン・オハラ
脚本 マイケル・ムーア
撮影 ジェイミー・ロイ
撮影 ルーク・ガイスビューラー
出演 マイケル・ムーア ドナルド・トランプ

(WOWOW番組内容より)
2016年11月7日、第45代アメリカ大統領選の投票日前夜、人々は民主党の女性候補ヒラリー・クリントンの勝利を確信していた。しかし、その2日後、世間の大方の予想を覆して選挙戦を制し、勝利宣言をしたのは、共和党候補のドナルド・トランプの方。しかし、ムーア監督は、それもあり得るといち早く予見し、人々に警鐘を鳴らしていた。地元ミシガン州で起きていた不祥事などを実例に挙げながら、同監督がアメリカ社会の実情に鋭く迫る。

(WOWOW解説より)
2016年、世間の悪評を物ともせず、アメリカ大統領選に共和党候補として出馬し、圧倒的優位とされた民主党候補のヒラリー・クリントンを破って、世界中をアッと驚かせたトランプ。このまさかの結果の陰にはどんなからくりが? 「華氏911」では、2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロ事件を題材に、その対応をめぐる当時のジョージ・W・ブッシュ米大統領を痛烈に批判したムーア監督が、本作では彼独自の視点で、トランプ大統領を誕生させた選挙制度の盲点やアメリカ社会の現状を浮き彫りにする。

アメリカの2大政党の共和党と民主党。
観ていて、もうどちらになっても大きな変化は望めないと感じ、それを変えようと立ち上がる市民たち。


・ミシガン州フリント市の毒水問題。

・悲しい事件が起こるたび、銃規制の声が
上がるのに、政治として取り上げられないのか?

・投票へ行かない有権者たち、選挙権の無い高校生たち。

ミシガン州
スナイダー知事
毒水で子供達を危機へ追いやった男

学校教職員たちの草の根の声が大きな波に。

他の州へも波及する大きなうねり。

ミシガン州フリント市の毒水問題。
オバマ大統領のスピーチと水

”私たちのヒーローが助けに来てくれると思った…“

フリント市に突然の市街戦⁈
鉛汚染の15ヶ月目。オバマは軍隊を送った。オバマの暴挙。

名目は、“対テロ”の軍事演習。

なぜ、市民に通知なしに突然行われた⁇
他の都市ではありえたか?
恐怖に怯える市民たち。

混乱の嵐のフリント市。

フリント市民にとって、
 ”テロ“の定義は全く違うものになった…

その後、現地をトランプ大統領の訪問。

 ”私が嵐だ“

ふざけんな! と思った。
ここはアメリカ⁇とも。

その後、画面はナチス党大会で演説するヒトラーへ。
但し、演説の声はトランプ。
監督、冗談が過ぎる…と思いきや…
ナチス台頭の当時と現在の状況が似通っていることを…

そしてトランプへのインタビュー。
質問に答える彼。
 “共和党ではない。
  …トランプ党だ!”

過去の忌まわしい時代に酷似した状況に陥りつつある米国に継承を鳴らす作品。

最期の、高校銃乱射事件で亡くなった同級生たちへの、丸坊主の女子高生のスピーチ

 ”二度と………“

ドキュメンタリーとはいえ、そういう編集にすることで監督の主張や主義を植え付けることは出来るが、
それに手放しで共感さ、受け入れるのではなく、
 自分で考え、判断することを監督は言いたかったのかもしれない。
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