かなり久しぶりのレビュー。
今年一番印象深かった作品。
孤独で心の優しいアーサー(ホアキン・フェニックス)は、母の「どんなときも笑顔で人々を楽しませなさい」という言葉を心に刻みコメディアンを目指す。
しかし、状況は悪化する一方。
メークをして、指で口角を上げ、無理矢理笑顔を作るアーサー。
母親の悲しい秘密。
幸せなシーンに隠された現実。
自分が同じ状況に置かれたかのようにアーサーの悲しみに涙が溢れた。
もし私が10代で繊細な性格で、思い通りにいかない世の中に怒りを持っていたら…。
この負の感情に巻き込まれずにはいられないだろう。
精神的に不安定な時には観てはいけない危険な作品。
悲劇だと思っていた人生が、傍から見れば喜劇なんだ。
ジョーカーにならずに、ささやかな幸せを手に入れたアーサーを見たかった。