Hideko

ジョーカーのHidekoのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.5
原題: Joker

真の悪を創り出すのは病んだ人間や犯罪者なのではなく、病んだ社会そのものなのであり、それを無視する少なからずの組織や人間に警鐘を鳴らす本作は多くの人が観るべきであり、単なるスリラー映画などという誤った解釈をしてはならない非常にSensitiveな作品であると感じました。

ジョーカー(アーサー)を演じるホアキン・フェニックスは約4か月で23キロ以上減量したといいます。それも1日基本的にリンゴ1個だけという無茶な方法で。監督のトッド・フィリップスはそんなことは望まず医師の元、段階的に痩せて欲しかったのに、と言っているということですが…。

役作りと言えば「デ・ニーロ・アプローチ」で有名なロバート・デ・ニーロも人気トークョーの司会者として出演していました。こちらは普段の彼なのか、もう分からなくなってきましたが、社会の成功した富裕層として描かれていただけに少しふっくらさせての出演だったでしょうか。

彼らの役者魂には頭が下がります。映画に信憑性を持たせるという重要なことではあるものの、それを命懸けでやってのけるのですから。

本作は観賞後ハッピーになるとか、生きる勇気を貰うとか、その種の作品ではないですが、目を背けがちな問題を「映画」というメディアを通して世界に訴えかけた傑作であると言えると思います。
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