今年のダークホース。予告とストーリー見て意味不明さと北欧メタルへの愛着具合にワクワクしながら鑑賞したけど、期待通りだった。
内容については深く触れないけど、何より良かったのは話の展開や登場人物達の潔さ。ハリウッド映画のようなコメディの中に泣かせるような展開を入れたり、実はこんなことが...みたいな要素は一切ない。脚本も人物像もシンプルで、アマチュアメタルバンドがノルウェーの音楽フェスを目指して旅をする。(ちなみに多くのフィンランドのアーティストにとってはノルウェーで売れることは大きな目標の1つなのだそう)
ドラマチックな展開を期待すると肩透かしをくらうけど、その分余計な要素を入れず北欧メタル好きなら嬉しい恥ずかしの小ネタ、バンドあるある的な展開など、自分達がカッコいいとかおもしろいと思うものだけを詰め込んでやったぜ！っていう姿勢が好印象。
またメタルを全く知らない人にとっては彼らが冗談抜きの真剣にバンドと向き合っている、その姿が意味分からなくてアホらしくて愛着が湧くのだと思う。結果、映画館で観ていた老若男女みんながいつのまにかバンドメンバーを応援してるのだ。そしてその馬鹿らしさと一体感こそ、ヘヴィメタルの魅力の1つでもあると思う。
それにしても、あれだけメタル大国と言われてるフィンランドでも、ロン毛のメタラーは劇中のようにホモだのヒッピーだの馬鹿にされてるのかな。そう思うと世界的に活躍するフィンランド出身のメタルバンドの偉大さを痛感する。
