しゅんまつもと

ホットギミック ガールミーツボーイのしゅんまつもとのレビュー・感想・評価

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自分でもこの映画のことがまだよくわかってないのでひとまずスコアはなしで。

山戸結希の映画だから見にいったわけで、ということは普通のティーンムービーではないということは承知の上で席についてるわけなのだけど、「溺れるナイフ」以上に物語は破綻してる。登場人物への共感性なんてものは一切排除して、整合性をかなぐり捨ててでも美しい瞬間、生きた瞬間を紡いでいる。それが映画なのかと言われたらわからないけど、これほど映画を観て違和感を感じることもそうない。
だから、デートでこれを選んだカップルや友達同士の女子高生が観終わった後に、言語化できない違和感が残ることがあるのだとしたら、それだけでもこの映画の存在価値はあるのだと思う。
なぜ、不意にカットバックが入るのか。なぜこんなにカットを割るのか、なぜこんなにも不安定なカメラワークなのか、なぜ脈絡もなくシャボン玉が映り込むのか、そういう違和感や疑問こそ映画の魅力なのだと自分は思う。共感よりも違和感。

しきりに繰り返される「からだ」「はだか」「からっぽ」というワードから、物語は恋愛を越えて女の子が/男の子がこの世界を生きていくことに飛躍していく。終盤の街の灯りが輝く夜の豊洲のシーンは、「21世紀の女の子/離ればなれの花々へ」並みの圧倒的なパワー。