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リンドグレーンのchihoのレビュー・感想・評価

リンドグレーン(2018年製作の映画)
4.5
ピッピやロッタちゃん、やかまし村(まやかし村かと思っていた)など有名な児童書の作者ですが、私はピッピくらいしか読んだことはなく、それも小学生の時に読んだきりで、はっきり言ってそれほど印象には残っていなかった。
けれど、この映画を観て、またリンドグレーンの本を読んでみたくなった。
子供たちからの手紙から、リンドグレーンという人が、どんな環境で育ち、どのような選択をしてこのような作家になったか、というのが回想される。

何となく確信したのは、知識から学べる人って自分が考えていたよりずっと少ないのかもしれない、ということだ。
マリーが迷うアストリッドに、愛する勇気だというシーンがあり、とてもはっとさせられた。
そうか、本気で愛するって、すごい勇気だ。
愛されたら愛するのはまだそれほど難しくないかもだけど、自分が愛するというのは、条件も保証もなく、それでも愛するというのは、なんて勇気のあることだろう。

最後のアストリッドと母親の関係も、互いが成長したから出来上がったもので、これを無理矢理早くに頭でなんとかしようとしていたら、結局ダメになっていたような気がする。
なることはなるし、ならないものは焦らず時を待つことでしか近道はないのかもなあ、なんて思った。

アストリッド・リンドグレーン役の女の子がとても素晴らしく、やっぱり人間年齢と魂年齢は全然比例してないな、とつくづく感じた。
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