ピッツア橋本

Shark Bustersのピッツア橋本のレビュー・感想・評価

Shark Busters(2002年製作の映画)
4.7
“私ハ警官デモアリ、弁護士デモアリマス”
とにかく借金まみれの警官たちが、パートタイム警官かつ弁護士のアメリカ人の力を借りて、法外な闇金たちに報復していくという摩訶不思議な社会派コメディ捕物帳。メイドインチャイナ。

loan shark(ハードな借金取り)という意味と、それを駆逐するものbustersという意味が混ざったのが原題『shark busters』となり、netflix表記の無理やり邦題にした『ヤミ金バスターズ』というのはあながち間違いではない。

2002年製作、2009年権利委託というこの空白の七年は何なのか。日本国内でビデオスルーすらされたのだろうか苦笑
ハーマンヤオ監督作。どうやら現状netflixしか観られない貴重な映像。というか宣伝不足なのかfilmarksで6件しかレビューが無いので、徹底的に魅力を紹介していこうと思う(笑)

まずテイストは日本の90年代Vシネマにパロディギャグを混ぜた感じ。

必要ないのにウサマビンラディン風の格好をしたり、ゴーストバスターズ風なコスプレをして闇金事務所に侵入したり、何となくお金にまつわる説明のザルさがすごくVシネっぽい(笑)
とにかく制作サイドが撮影期間で思いついたお遊びはぜんぶ詰め込んだのだろう。

報復、というのがポイントで奴らから金を借りてる故に逮捕に踏み切れないという情けない実情が本当に滑稽。世知辛い。ただしエンドロールでこれが現実だったという事を知り驚愕。

上記したアメリカ人の「真っ赤なフェラーリに乗って初出社してきた、拳銃に憧れてアルバイト警察しつつ、本業の弁護士でがっぽり稼ぐ米国人」というこち亀も真っ青な破天荒キャラに度肝を抜かれる。
普通に署内で弁護案件をどんどんゲットしていく逞しさとスマートさ。無理やり現実に例えると厚切りジェイソンくらいのウルトラスペックといえよう。
彼が中核にいることで、普通の刑事モノ、捕物帳では見られないウルトラCな解決方法が目白押しで本当に楽しかった。ただし現実世界では実用性ゼロだと思う。

闇金ギャングたちの武器も日本のような鉄バットじゃなくて棍棒や変な定規みたいな殺傷能力低めの道具でペチペチ脅す感じがなんかとても良い。打楽器的な感じで音が良い(笑)
闇金ボスが上半身裸にライダージャケット&グラサン&スキンヘッドはマジで最高。格ゲーの雑魚キャラにこんなのが昔いた気がする。

とにかく警官側、闇金側にも双方のプライドというかガッツが半端なくて、元気いっぱい全力ダッシュのまま91分のやんちゃで破天荒なストーリーが駆け抜けていく。圧巻。
尋常じゃなく香ばしいです(笑)

本当に良い映画なので、誰かnetflix加入者で一人でも多くの人が本作を視聴し、元気いっぱいになる事を切に望みます!
ピッツア橋本

ピッツア橋本