たく

アド・アストラのたくのレビュー・感想・評価

アド・アストラ(2019年製作の映画)
3.8
広大な宇宙空間を舞台にしつつ、描いてるのは極めて私的な父子関係。これはアポロ11号打ち上げの裏でアームストロングの家族の葛藤に焦点を当てた「ファースト・マン」にちょっと似てるね。

父がリマ計画遂行のミッションで16年前に行方不明になり、彼の偉大さと親に捨てられた恨みの狭間で葛藤しつつ人間らしい感情を押さえつけて生きてるロイが、政府から父を呼び戻す使命を負って火星に向かう話。全編に渡って彼の独白をナレーションで流すのが無音の宇宙空間と相まって、映画に不思議な静けさをもたらしてる。

月で襲われるところと実験動物のシーンが怖かったね。
30年間食べ物どうしてたんだ?ってのは思い切り引っかかった。
ラストはジーンときたね。

最初の方で無機質な映像のタッチとセリフ回しに「2001年宇宙の旅」のオマージュかなと思わせる。ミッション遂行のために罪を犯すのもHAL9000連想するし。
あと、息子の父に対する葛藤はちょっと「ツリー・オブ・ライフ」を思った。あれはブラピが父親役だったね。
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