たく

シティーハンターのたくのレビュー・感想・評価

シティーハンター(2024年製作の映画)
3.7
NETFLIXの週間グローバルTOP10で1位を獲得した話題作で、いわずと知れた北条司の原作漫画の実写化。同作の実写化は以前にフランス版を観てて、アニメ版で慣れ親しんだ世界観を忠実に再現した演出に原作愛を感じたのに対し、本作は歌舞伎町の猥雑さをうまく採り入れてるのが実写ならではの魅力に感じた。ストーリー的にもシティーハンターの1エピソードとして普通に面白い。本作が日本で初の実写化だというのは意外。役者では、鈴木亮平が肉体から声まで含めて冴羽獠を高レベルで再限してて驚いたんだけど、何より森田望智が悲しい出自を背負った香の役として抜群にハマってて、アニメ版の香にも違和感なく繋がる。彼女は初めて見たと思ったら「さがす」に出演してて、自殺願望を持った女性の役で存在感を示してたね。華村あすかも、ノーメイクで逃げ惑う姿とコスプレの可愛さのギャップに惹きつけられた。

新宿の歌舞伎町を舞台に、地下組織のシティーハンターとして秘密裏に活動する冴羽獠と相棒の槇村が、ある人物から妹の捜索依頼を受けて行動を起こす。ここでシティーハンターのトレードマークである駅の掲示板の「XYZ」に始まる伝言にテンションが上がってから、捜査対象のくるみが何者かに追われてるところを獠たちが救おうとする逃亡劇が延々続くのはちょっとくどく感じた。この歌舞伎町で暴徒が奇怪な行動を起こす事件が頻発してるのがストーリーの軸となり、歌舞伎町の猥雑な街並みをパッパッと入れていくカットが印象的。

獠の相棒の槇村が暴徒に殺され、残された妹の香を守るために獠が行動を共にする展開で、香を演じた森田望智の表情豊かな存在感がぐんと光ってたね。冴羽獠の鍛えた身体にも目を奪われて、キレキレのガンアクションはさすがNETFLIXの潤沢な資金を注ぎ込んでる完成度の高さだった。中盤で化粧品会社主催のコスプレイベントがシティーハンターの世界観からちょっと逸脱する感じがしたものの、華村あすかが抜群に可愛かったので許容範囲。獠の無類の女好きが存分に描かれてたのは良いとして、アダルトビデオをコレクションしてるのはちょっと彼のイメージと違うように思った。

ユニオンの実態は明かされないままで、続編が作られそうな幕切れ。これには「007」のスペクターみたく、謎の組織としてシリーズを引っ張っていく存在と勝手に予想。最後に流れる「Get Wild」はまさかの本人歌唱によるニューバージョン。エンドクレジットに神谷明の名前が出てて、本編に出てた?と思って調べると、冴羽獠の声をアフレコしてたんだね。どうりでシーンによって声が神谷明に似すぎてると感じたわけだ。
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