Stroszek

シャドーのStroszekのネタバレレビュー・内容・結末

シャドー(1982年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

コンクリート打ちっ放しやピロティなど、モダニズム建築がゴージャス。言いよってた女の子が殺されたのに、容疑者の邸宅に作家とともに忍び込んで、「隠れんぼみたいですねっ」とワクワクした様子を隠さない男の子の残酷さ。アルジェントの登場人物は全員すこぶる身なりがいい美男美女なのに、心がないダイアモンドのような硬質な魅力がある。また、アルジェント作品には主人公や犯人が本を読んでいるシーンが多いのも好き。作家と秘書、男女の刑事2人組は鏡像のようで、それがちゃんとクライマックスの伏線になっている。作家の作品が『夜明け』から『暗闇』になるのは、ロメロのゾンビシリーズと逆だな、と思うなど。

[鑑賞メーターから転載]

1982年イタリア。原題"Tenebrae"。ジャッロ。『四匹の蠅』の頃の原点に戻ったと言われる作品。NYの作家ピーター・ニールが新作『暗闇』のプロモーションのためローマを訪問。その頃、彼の作品に影響を受けたと思われる殺人鬼が、美女を次々と惨殺していた。…赤いハイヒールを口にねじこむトラウマ描写、大胆で鋭角的なモダニズム建築を大幅にフィーチャーしている点など印象に残る。「消去法で残ったものは例え、信じ難くても、真実だ」と、『バスカヴィル家の犬』の台詞が引用されている。白い壁を血染めにする切り株描写が鮮烈。
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