回想シーンでご飯3杯いける

暗数殺人の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

暗数殺人(2018年製作の映画)
3.7
連続殺人犯 vs 執念のベテラン刑事による接見室での心理合戦。韓国のサスペンスと言えば、アクションとバイオレンスが必須だったけれど、この作品は趣が違う。大半が会話シーンで、他は現場検証のシーン。という事で地味な印象は拭えないけど、役者の演技を堪能できる、なかなか没入度の高い作品と言える。

「俺は7人も殺した」と自慢のように語るサイコパスを演じるチュ・ジフンは、ずる賢いイケメン。証拠を見つけられるものなら見つけてみろと、警察の無能を指摘する姿が何とも胸糞だ。一方の刑事役は演技派のキム・ユンソク。この人はどちらかというと犯人側のイメージがあったけど、今回のように正義感の強い刑事役もハマっている。サイコパスの策略に巻き込まれないように冷静を装う姿がスリリング。ポケットから斧を取り出して振り回すんじゃないかとヒヤヒヤした。

実話がベースになっているそうでポン・ジュノが手掛けた「殺人の追憶」に近い雰囲気もあった。