1966年4月、ベトナム戦争で戦場に残された兵士たちの命を助けるべく、自身の命を捧げた空軍兵がいた。
彼の名は、ウィリアム・H・ピッツェンバーガー。
英雄として讃えられるはずの彼の名誉勲章は、30年以上も却下され続けた。
1998年、その請願を精査することになったのは、キャリア官僚のスコット・ハフマン。
上昇志向が高く出世意欲の高い彼は、最初は仕方なく始めたが、退役軍人達の証言を聞いていき、その事実に触れることで、真実を解明しようと、名誉勲章を実現させようと、のめり込んでいく。。。
めちゃくちゃいい映画だった。
ベトナム戦争を題材にした作品だけど、その是非というよりも、1人の兵士の人間としての誠実で崇高な行動に真摯に向き合った作品。
勝手に涙が流れてしまった〜。。
彼に名誉勲章をと30年以上も粘り続ける仲間たちも凄い。
ベトナム戦争の後に生まれたハフマンからしてみれば、亡くなった兵士のためになぜそんなにこだわる?
30年も前の話では??
…と思う。
また、ハフマンがピッツェンバーガーを調べてて最初に思う感想は、ピッツェンバーガーは愛し愛される両親もいるし、恋人もいる。周りからは好かれている。きっといい人生を送れていただろう。
なのに、その全てを投げ捨てて、命も投げ捨てて、兵士たちを守ろうとしたのはなぜなのか?
これらの疑問について、退役軍人たちの証言を聞いていくうちに、ハフマンは納得がいくようになっていく。
ピッツェンバーガーは空軍。
戦場で闘っていたのは陸軍。
本来なら、応援に応えてできる限り救助して、無理なら避難するのが妥当だろう。
しかし、銃撃戦に巻き込まれる同じ国の仲間を見て、彼は地上に降りる。
空軍の仲間が、途中から不利と考えて、彼を引き上げて去ることを促したのに、彼はそれに応えず、そのまま残された兵士を助けるため留まった。
…これ、できる??
でも、自分がそこで引き上げて陸軍たちを見殺しにするのも、できる??
彼は迷いなくそこに留まった。
「命を救うこと」という信念を貫いた。
なんてヒーロー…。。
彼の話を見ていて、そこの自問自答をしてしまって、ググッとくるものがあった。
ハフマンもそうだったんだろう。
その戦場にいた命を救われた全員がピッツェンバーガーを想っていた。
衝撃と感謝と同時に、自責の念に苛まされただろう。
なぜ自分が生き残って、彼が死んでしまったのか。
「生きて帰るべきは、ピッツェンバーガーだった」
この言葉が泣ける〜!
うわああんっ(´;Д;`)てなった。
ピッツェンバーガーに名誉勲章を送ることは、生き残った兵士たちのせめてもの贖罪。
彼に名誉を残すことが、残された兵士たちの救いにもなるんだね。。。
その退役軍人たちと、ピッツェンバーガーの親を演じた俳優陣が豪華すぎー!
名優だらけだ…!
めっちゃ良かった。色々な葛藤がすごく伝わる。
それぞれの退役軍人が語りきってなかった真実を、ハフマンに打ち明けるところもグッときた。
サミュエル・L・ジャクソン演じるビリーのところとか。どれだけ辛かったのか。
みんな辛かっただろう。
そして、主役ハフマン演じたセバスチャン・スタン。
キャプテン・アメリカのバッキーの時もそうだけど、考えが変化して表情が変わっていくの凄く上手い。
エリートで出世命の彼が、残された者たちの話を聞くうちに、意識が代わり、誠意を持って真摯に向き合っていった結果、自分のキャリアを放り投げる覚悟で挑んだのが、凄くよかった。
セバスタほんといい俳優だと思う。
最後の授賞式の長官の言葉もめっちゃ良かったな。
ピッツェンバーガーが残したものは、こんなにも大きいということ。
みんな最後は良心と善の心を持っていて良かった。
誠意と敬意を感じた。
実話を基にしたお話。
この作品をみて、
戦争は、やっぱ嫌だなと。
生きて帰っても、辛い日々をおくる人も多い。
どこでも起きてほしくないなと思う。
自分の全てを投げ捨てて、そこにいる人たちを救う勇気。
命を救う・守るという誠実な信念と行動。
助けられた人たちがずっと彼を想い続けるというのも人間らしさ。
自分の経験したことでもなく、親類友人でもない人たちの話を聞くうちに、そこに共感して正しいことをしようとする誠意。
…みたいなものの素晴らしさを感じた。
あ、特典で、セバスタのポストカードもらった笑。