Dumbo

In the Life of Music 音 楽とともに生きてのDumboのレビュー・感想・評価

3.8
カンボジア映画を映画館で(しかもイオンシネマで)観られるなんて、
恐らく一生に一度じゃないかなぁと思って
観に行きました。

クメール・ルージュが関係することは分かっていた上で観たのですが、
感想から言うと、
とても辛いの一言です。
PGもR指定も付いてなかったので、
残虐なシーンは出てこないだろうと思っていたけど、
その瞬間が映ってないだけで、
処刑のシーンや大量の死体を運ぶシーンは
たくさん出てきました。
悲しい歴史を目の当たりにして、
言葉が見つからない…
でもこれが、目を背けてはいけない事実。
実際にカンボジアで起こった悲劇、

命が命として扱われない、
動物ではなく人間だと
声を上げることもできない人たち。

タイトルから、
どんな時代であっても、
どんな状況であっても、
人は音楽があれば生きていける、
音楽で救われる話かと思ったけど…
そんな感じではなかった。
救われたとも思えなかった。
歌うことなんて、許されないし、
だいたい、しゃべる事さえできないのに…

ただその唄は、
歌うことが出来なかった辛い時代にも、
人々の心の中にはいつもあって、
支配前の平和な時代、
暗黒時代、
そして開放後の現代に至るまで、
何代にもわたり、
人々の中に受け継がれてきたのですね。

どうしようもなく辛かったけど、
知ることは大切だと思う。
映画の中には一切説明はなかったけれど、
帰ってからさらにクメール・ルージュについて調べたら、
頭蓋骨の山の写真が出てきたり、
映画で観たよりももっと残虐な事実があったことを知って、本当に言葉を失った。

私はクメール・ルージュより
ポルポトと聞いたほうがピンときたのですが、
クメール・ルージュは政党名または武装組織の名称で、
ポルポトはその党首の名前。

クメール=カンボジアの古い呼び方。
ルージュ=赤。共産主義の色。

クメール・ルージュは原始共感主義を掲げて、
原始時代のような農耕生活を理想としていたため、
その主義に反する人たち、
学歴の高い人、
英語を話せる人、
財産を持つ裕福な人、
さらに、メガネをかけている、
美男美女といった不条理な理由で
カンボジア国民の1/3が虐殺された。
ヒトラーほど知られていないけれど、
ヒトラーと同じくらいの独裁者だったのです。

カンボジアにはたくさんの
キリングフィールド(処刑場だった場所)
があって、
資料館には処刑された人々の頭蓋骨が壁一面に…

あと、キリングツリーには本当にショックを受けました。
あまりにもショックで書けません…


あの少年兵の瞳と表情は、
耐えられないものがありました。
何が起きても、感じないようにしないと、
心が守れない状況では
人はあんな目をしているのかと…
Dumbo

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