takanoひねもすのたり

サマー・オブ・84のtakanoひねもすのたりのネタバレレビュー・内容・結末

サマー・オブ・84(2017年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

殺人鬼だって誰かの隣人さ。

……そうかもね。

再鑑賞。

1984年の夏、15歳の少年デイビーが住むオレゴン州イプスウィッチ近郊の町では、同年代の子供を狙った連続殺人事件が発生していた。
ひょんなことからデイビーは近所に住む警官マッキーが殺人鬼ではないかと疑い始める。
仲間たちと相談し、彼の身辺を探る探偵ごっこを始める……というジュブナイル系のサスペンス。

80年代、TVはブラウン管、電話は有線、仲間たちとの連絡はトランシーバー、移動は自転車、そして秘密基地。
お隣にはちょっと気になる女の子。
町民みんな顔馴染み、のどかな空気が流れるこの町での、少しスリルのある冒険のつもりだった、84年の夏。

主人公デイビーは空想がたくましい。父親がTV局にお勤め。
イーツは不良少年、でもイケメン、家庭が複雑。
ファラディ、眼鏡のガリ勉くん。
ウッデイ、ふくよか少年。いい奴。

この作品が暗黒版『スタンド・バイ・ミー』……笑
それよっく分かる 笑

自分、真っ先に浮かんだのは『トム・ソーヤーの冒険』の中にある、墓暴きに来た3人の男が手間賃で揉めてひとりを殺害した話。事件の一部始終を目撃していたトムとハックルベリー・フィンは、この事件で後味の悪い気持ちを引きずることになる……子供であることの無力さを思いしるというビターなエピソード。

諺にあるCuriosity killed the cat(好奇心が猫をも殺す)これなんですよね……この話。

デイビーはひとりの少年を救う結果になったけれど、自分のせいで仲間をひとり失うことに。
他のみんなは転居したりでバラバラになり、彼だけがこの町に残される。

15歳の少年のちょっとした好奇心が払う代償としては大きすぎる。

と思いつつ、以前のように新聞配達を再開した彼の様子からは、殺人鬼の影に怯えている様子はなく、淡々と現実を受け止めているよう。
個人的には次の手を考えているような感じを(勝手に)受けました 笑

『今度こそ捕まえる。ウッディのために』
作品の語られない部分に妄想が広がり。
対決編or復讐編として、サマー・オブ・94とかのタイトルで続編作って欲しい。

悪いのは殺人鬼。
殺したのは殺人鬼。
殺人鬼から「お前のせいだ、お前に人生を奪われた!!!」と責められても「全部あんたが100%悪い。あんたのせいで人生奪われた子供達の立場はどうなん?」と問いただしたい。

デイビー、君の人生はこれからだ。
あいつを絶対に許すな。
……と、二次創作が始まってしまいそうなのでこの辺で切り上げとこう……笑
イヤミスジュブナイル物。好物です。