よしまる

残された者-北の極地-のよしまるのレビュー・感想・評価

残された者-北の極地-(2018年製作の映画)
4.1
 2022年あけましておめでとうございます⛩

 北欧の至宝マッツミケルセンを愛でながら北極で至福の時間を過ごす(ただしこっちはコタツ)素敵なお正月でスタートしました。

 こんなにミニマルな映画は久しぶりに観た。出てくる人も場所も最小限、説明的なセリフもなければナレーションもない。それですべてを理解できる。しかも、観てて飽きることがない。すごいぞ、これ。

 円熟したマッツの演技がまず目を逸らさせてくれない。
 痛みやツラみ、小さな喜びや絶望的な悲しみ。極寒の地で大きなアクションも出来ない中、わずかな所作と表情、目の演技だけで全部伝わってくる。

 物語も秀逸だ。サバイバルモノでありがちな、「そっち行ったらアカンやろ〜」「なぜそうなる〜」「ケンカしとる場合かよ〜」というツッコミどころを一切排除。
 もちろん雪山や遭難のことなど何にも知らないし経験もないのだけれど、およそすべての対処法はこのうえなく的確で失敗がないかのように見える。

 ただひとつ、劇中で自らも後悔した過ちを除いては…。
 このシーンも心の葛藤や因果応報を感じさせながら余計な説明を省きマッツの心情に寄り添った素晴らしい演出。そこらへんの映画だとくだらないモノローグなんか入れがちだけれど、「わかるよ、マッツ、君は悪くないよ…」と観客もつい心の中で共感してしまう。

 「寒〜🥶」「吹雪くのやめて〜❄️🌪」「イテテテ🩸」って何かあるたびにいちいち声に出しながらコタツでぬくぬくと観賞したボクを許してください。

 今年も相変わらずこんなですが、どうぞよろしくお願いいたします🎍