みきちゃ

先に愛した人のみきちゃのレビュー・感想・評価

先に愛した人(2018年製作の映画)
4.6
この映画を思い出してため息ついてる。

みんな愛を亡くして、愛の証を探して、やり場のない気持ちをぶつけ合う。必死すぎて、その滑稽さに笑いを誘われたりもした。彼らの摩擦と衝突が生んだ情景に涙を誘われたりもした。

恋に落ちていく様がたまらなく美しかった。
どうしようもなく恋に落ちていく。
誰かを深く愛することは、時に重すぎる。
時に苦しすぎる。

登場人物全員の見え方が変わっていくことで、1人1人を多面的に見て深く知れたような気になり、もう大好きになってしまった。特にロイ・チウが生気に溢れててひどく魅力的。彼が演じた阿傑は、相手の年齢性別関係なくフラットな接し方をしてて素敵だった。

台湾映画(と台湾文学も!)が持つ空気感に恋してる。どこか懐かしいような、時折吸わないと立ち止まってしまうような気持ちになる。しっとりして、鮮やかで、どこか寂しげなあの雰囲気。人々はとっくに観念してるというか、諦観してるような、でも光は宿した眼差しで。なんか惹かれる。

===
台湾での同性婚についての記事。世の中ほんとうに知らないことばっかり。
https://www.cyzowoman.com/2020/03/__trashed_1.html
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