このレビューはネタバレを含みます
クリント・イーストウッドは何でこんなに年食ってもお茶目で無茶苦茶で色気があるのか。
シワだらけで、背中もちょっと曲がっていて、よろよろ歩きで、口の悪さといったら!という主人公なのに。
監督俳優やめるやめる詐欺が未遂で本当に良かった。
「グラン・トリノ」で最後かと思いきや、なんだか御大はお元気でした。
2005年から2012年に切り替わり、自宅も農場も地元の退役軍人クラブも、やつれ果てて見る影も無い。インターネットとスマホ普及で、じいちゃんのデイリリー作りの花農場稼業も傾いてしまう。
それなのに、車に乗ってどうにかなる、とうそぶいて、すこぶる明るい。
憎まれ口を叩きながら、悪い奴らとは仲良しになって、困った人たちは助けてあげる。
運び屋のミッションを抜け出して、元妻のお葬式にきちんと出てお別れする。
ダイアン・ウィーストとの真実をめぐる会話の掛け合いはすばらしい。
家族との時間が一番大事だから、なんて記念日を忘れたブラッドリー・クーパーにアドバイスする。
時間はお金で買えない。
家族もお金で買えない。
だけどお金を使って時間を使って家族と向き合うと何かが変わる。
悪いことした奴から教訓を学んで、爽やかな気持ちになるなんて、人に言えない。
あー!面白かった!
あの悪い奴誰だよーって思ったらアンディ・ガルシアだった。素敵だった。