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ブレードランナー ファイナル・カットのhzr2525のネタバレレビュー・内容・結末

4.6

このレビューはネタバレを含みます

ハリソン・フォードは殴られても様になる。ボロボロでも女を守ろうとする。
ニヤッと笑いながら何とかしようとする。

大昔に観た時には、暗くて見づらかったなあという印象だった。
今回IMAXシアターで限定公開版を観たら、光の使い方捉え所を絞っているだけで、全体的に暗く撮った映画だけれど、見づらくは無かった。くっきりしていた。

日本人が観ると、街中の怪しい日本語が楽しめる世界でもある。あと、コンピュータの使い方がジャンクで、ギリギリ未来都市を保っている。

さて、昔はただただ怖いと思っていたレプリカントの見方が変わっていた。レプリカントは悲しい存在で、あいつら悪くないじゃん、と肩入れしてしまった。
たぶんPS4で「Detroit became human」をプレイしたからなのだ(名作なのでプレイおすすめ)。人間にこき使われて、非道な扱いを受けていたら、反乱しても仕方ないよね、と。

レプリカントは人間なのか?否。
では何をしても良いのか?否。

レプリカントには感情がある。
ゲームの世界では、変異体と呼ばれて規格外品扱いであった。
映画の世界でも、排除されるべき異端。
ブレードランナーたちは、排除のスペシャリストである。

一際優れたブレードランナーであるハリソン・フォードが、一体のレプリカントをテストし、ふとしたきっかけで殺さない。
そのレプリカントは自意識の実験のために人間の偽の記憶を植え付けられ、不安定になっている。美しくて優しい。

レプリカントが悲しい存在なのは、人間同様に有限な存在で、しかも非常に短い生しか全うできないからである。生を管理されるとどうなるのかを私たちはまざまざと見せつけられる。

終盤のアクションシーンは圧巻。
高所恐怖症の連れは、体を硬らせて鑑賞していた。高さだけではなく、縦横無尽なレプリカントの動きを見てほしい。

ハリソン・フォードが何と戦っていたのか見届けて欲しい。格好悪くなっても格好いい。
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