竜平

ハッピー・デス・デイ 2Uの竜平のレビュー・感想・評価

ハッピー・デス・デイ 2U(2019年製作の映画)
3.7
続編。前作にて奔走の末ようやくタイムループから抜け出し諸々解決に至ったかに思われた女子大学生ツリーのもとにまたしても巻き起こってしまう摩訶不思議体験。彼女の運命やいかに、という話。

前作の出来事の別視点から始まる冒頭にまずワクワク。前作でのあれこれ、タイムループが起きてた原因なども今作にて言及されたりして、ここらへんはまぁ、上手く繋げた“風”ではある。そんなこんなで前作同様タイムループ的な展開を軸としつつも、今回はひょんなことから「並行世界」「多元宇宙」というような話が絡んでくる。最近で言うところのMCUで扱われてるような所謂マルチバースみたいな設定。これがなんともはや、ややこしい。常識が通用しないワクワク感というのがここにあるはあるんだけども、しかし深く考えれば考えるほどに「穴」が見つかってしまいそうな、そんなメタ的な危うさが終始漂ってしまっている気がする。今回はコメディ要素やら主人公のドラマ要素やらがより誇張されて、そこにSF要素も絡みつつで味付けもだいぶ濃くなった印象。良く言えばパワーアップ、わるく言うとちょっとやり過ぎかなーってな感想。前作を経ての更なる「繰り返し」による笑える箇所とか、劇中でも話題として出てくる『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』みたいな展開の仕方など、もちろん楽しさもあるにはあってつまらないことはないんだけど、これは典型的な「続編」のパターンに陥ってるかなと。

ちょい愚痴ってしまうけども、個人的にはそもそも前作にあった謎、説明されなかった部分ってのもべつにそんなに気になってなかった、てか説明なんてなくても許せてたもんで、尤もらしい設定を後から付け足して隙間は埋まったのかもしれないけどそれが1作目にあった「不条理スリラー」感、得も言われぬハラハラドキドキというのをかき消してしまったように思う。このシリーズはなんというか、大雑把ながらも勢いでスッキリまとめてたからこそのおもしろさがあったんじゃないかな。すべての事象にそんな理由なんてつけなくても、ね、とか思うのは俺だけなんかな。コメディパートはともかく、ヒューマンドラマパートもちょっと狙い過ぎてるかも。全体的にくどくなってしまって個人的には、んーー、という感じ。もう一度言うけどつまらなくはないし飽きずに最後まで見れる。けど、前作のほうが断然好き。
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