kanegon69

僕たちは希望という名の列車に乗ったのkanegon69のレビュー・感想・評価

4.5
ズシンとくる凄い映画でした。

時代は1956年。まだ戦後11年。東ドイツの高校の進学校に通うテオとクルト。まだソ連の占領下にあり、社会主義への抑圧、言論の自由など許されていない時代。しかしまだベルリンの壁が建設される前で、西側へも比較的容易に行けていた時代であった。テオとクルトは西ベルリンの映画館に潜り込み、ハンガリーの民衆蜂起のニュース映像を見てしまう。衝撃を受けた二人は東ドイツに帰ってから、クラスで2分間の黙祷を提案するが、、、

色々改めて考えさせられました。人というのは入ってくる情報の中で判断しようとするという事を改めて認識し、常にその情報は本当に正しいのかを疑う姿勢が大切であると感じます。と、同時に全く知らなかった逆の情報に触れたとき、家族を捨てても彼らのように本当に勇気をだして西側へ行けるだろうか。自分の中で確たる自信はない。引き裂かれていく家族それぞれのことを思うと心が痛む。しかし4名を除くクラス全員が東側のエリートの道と家族を捨ててでも西側へ渡ったという歴史上の事実に驚愕する。
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