あるバナナ

ウエスト・サイド・ストーリーのあるバナナのレビュー・感想・評価

3.6
楽曲の数、カメラワーク、ダンス、歌。全てが見ごたえ抜群で面白かった!
特にキレッキレのダンスがカッコいい。

あと、登場人物がみんな生き急いでるっていうか、行動が若く、刹那的。
彼らは衝動的に恋をして、衝動的に暴力を奮い、仲間意識で生きている。

例えば、トニーとマリアは一瞬で恋に落ちる。
JETSとSHARKSは、再開発が進む、消えいく区画でterritoryをかけて戦う(どうせ無くなってしまうのに)。
途中でリフが、「毎日何かが壊されるこの町で、一体何が残るのか? それは仲間だ。」的なことを言っていた。彼らは実利のためではなく、消えいく共同体のために戦っている。しがみついていると言ってもいい。
無くなろうとしているものに対する熱量の高さに、若さのエネルギーを感じてしまった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

初見だったので、主人公が誰なのか(=誰視点で作品を見ればいいのか)を理解するまでに時間がかかってしまった。
やや分かりづらかったとも思う。

また、作品の主張したいことが何だったのかは、結局分かっていない気がする。
たぶん、JETSとSKARKSはこのあと手を取り合うようになることはなく、また1か月も経てば暴力事件を起こすようになって、そして開発計画の中で消えていくんだろうな……。
あるバナナ

あるバナナ