あけび

キャッツのあけびのレビュー・感想・評価

キャッツ(2019年製作の映画)
2.9
原作者TSエリオットの奥さまは
昔ディズニーからアニメ化の誘いが来た時も断ったらしいのですが
ご存命であれば確実に映像化はなかったでしょう
それだけ難しい作品ではあると思います

トムフーパー監督はレミゼラブルと同じように今作も、全体的に元ミュージカルからあまり改変していません。

しかし、Catsのミュージカルはよく分からないところこそが魅力であり、猫の世界を垣間見ているような没入感であるはずでした。

人間が猫を演じ、私たちはそこに猫らしさを発見する。
でもそれは、人間に猫耳や尻尾をCGでふさふさはやし、可視化することとは全く違うのだと改めて思いました。

特に冒頭付近のジェニエニドッツとバストファジョーンズが
趣味の悪い方面に向かってしまって残念。


ミュージカルの世界を現実に組み立てようとして、謎めいた魅力や想像の領域をごっそり削ってしまった印象でした。

個人的に、後半スキンブルシャンクスやマキャビティのシーンはミュージカル版と変更していてむしろ良かったかなと思います。
ヴィクトリアとミストフェリーズ等にキャラクターづけしたのもわかりやすかったのではないでしょうか。


音楽はミュージカル版とほぼ同じですし、舞台を見慣れていたので案外楽しめました。
この映画を見て、ちょっとでも音楽の魅力を感じた人は、ぜひ生の舞台で見て欲しいです。
あけび

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