何かを見たら死ぬ。
〜したら死ぬシリーズ、最近結構あるが、自分はこういうの、好きなのかもしれない。
"それ"がアメリカに来る前、パートナーを持たない妊婦だった主人公のマロリー。彼女は孤独を望んでおり、超音波で映る胎内の子供を見ながら養子に出すか迷っている。
そんなマロリーの元にも平等に災難はやってくる。"それ" を見てしまったものは自殺する。ぶつかる車、車に引かれる人たち…短時間で暴動のようになるも、命からがらとある民家にたどり着いたマロリー。
そこには数人の男女がいた。家のガラスは紙などで覆われ、外の世界をシャットダウンしていた。一時的に安全性は確保できたが、それはいつまで続くか分からない。彼女は重いお腹を抱えて、生き延びることができるのだろうか。
数々の死地を乗り越えていくマロリーだったが、彼女が人に対する愛情を持つ過程が興味深い。感動的な映画にはよくある描写だが、人との出会いはこんなにも人を変えるものなのか、と心を打たれる。緊急事態で選択をできなくなってしまうのはマイナスだが、そこで生まれた優しさが後にちゃんと作用したのは良かった。
"それ" の姿を直接描いていないのも面白かった。とある人物が持っている絵によってそれは分かるが…なるほど、ヘタなCGよりも、人によって描かれた絵画の方が凄みがあっていい。