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私、オルガ・ヘプナロヴァーのkouのレビュー・感想・評価

4.0
虐待、暴力、社会から虐げられた人間が復讐へと行き着くまで。静かな作風の中から、描かれるのは圧倒的な絶望感であり、どこへ行こうと、逃げ場所もない。その先、突如として残酷な暴力が映されぞっとする。

静かな室内で、映像の省略の中に見るのは虐待。鬱屈したオルガの先には常に絶望感が漂う。逃げるように実家から離れ、その先で一時の心の拠り所を見つけるも、そこにも裏切られていく。

何か掴める物を掴もうとするもすり抜け、残るのは何も無い。自分には何も残らず、誰も必要としない。静かに、だが着実に進む孤独感は社会から見放されたと復讐心へと向かっていく。何とも暗く、重苦しく…暗闇を覗くような作品だった。
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