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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのmmsanのレビュー・感想・評価

5.0
まず3時間半、全く中弛みしないことが驚き。暴力に塗れた物語のなかで、一組の夫婦の行方を軸にした構成と役者たちの強力な演技で吸引力が落ちない。マーティン・スコセッシ80歳!!?もう感服しかない。
主人公アーネストの圧倒的な小物感を的確に表現したレオナルド・ディカプリオはやっぱり凄すぎる。そして、オーセージ族=お金、の話しかしない、まるで彼らの命を奪うことが日常みたいに振る舞う、差別主義者で強欲の塊"キング"を演じるロバート・デ・ニーロの胸糞感。でも主役はやっぱりモリー=リリー・グラッドストーンだった。眼差しがとても印象的。濁りのない佇まいが本当に美しかった。殺伐とした物語の中にもモリーとアーネストのラブストーリーは確かにあって、そこだけは本当であってほしいと願わずにはいられなかった。
最後に、これ実話なのかと。私は、この映画がなければ、白人たちのオーセージ族に対する蛮行を一生知ることは出来なかったと思う。
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