Shin

ザ・ピーナッツバター・ファルコンのShinのレビュー・感想・評価

3.7
「ピーナツバターファルコン」って、てっきり船の名前かと思っていたら違ってました・・(笑)

このポスタービジュアルは素晴らしいのですが、FILM INQUIRY(独立映画系の雑誌)が評した「この10年で最も愛すべき映画」というのはちょっと大袈裟ではないかと。
ちなみにSXSW(サウス バイ サウスウエスト)は米国で行われる最先端テクノロジーのスタートアップの祭典で音楽やフィルムやら4部門あるそうです。

本作は主演のザック・ゴッツァーゲンを映画スターにする為に始まった(公式サイトより)とあってか、いささか都合の良い展開が気になりました。

施設から脱走した裸一貫のザックを、自身も追われる身の漁師のタイラーが、一緒に旅に出る動機が同情以外に見当たりません。最初の出合いも、ザックのせいで追手から見つかりそうになるし、明らかに足手まといだし、本人もセリフで言ったようにタイラーに何のメリットもない訳です。重箱の隅をつつくようですが、序盤の大事なポイントなので、ここは丁寧に描いて欲しかったです。

とは言え、作家マーク・トウェインの『トム・ソーヤの冒険』のようなイカダでの川下りはワクワクさせてくれますし。そこに加わるダコタ・ジョンソン演じる健気な看護師エレノアが魅力的でストーリーを盛り上げます。

そして随所に笑いの要素もあり、プロレスのシーンも楽しませてくれます。
音楽も情緒に溢れていて、風光明媚な映像も美しいです。

ただその後のエレノアの苦労が目に浮かぶようでミョーに現実的になってしまうのでした。(笑)
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