中国人女性クロエ・ジャオ監督、アメリカ中西部のカウボーイの物語。
ロデオで頭に大怪我を負った主人公のブレイディは、後遺症に悩みつつも再起を目指すが…というストーリー。
これは現代なのかというほど、ど田舎大自然!
ブレイディはネイティブアメリカンの血をひいていて、ここは保護区っぽい場所です。
見るからに家は貧しく、他の道はほぼ無いという環境。
妹リリーは自閉症で、ロデオ仲間の一人、ブレイディの兄貴分レインは有名なブルライダーだったが、もっと酷い怪我によりリハビリ施設にいる。
ブレイディはそんな彼らに支えられながら、なんとか日々をやり過ごしている状態。お医者さんにはもうロデオはダメと言われてるが、諦めきれない。
月明かりの下、焚き火をしながらロデオ仲間たちと語り合ったり、夕陽が沈んでいく瞬間をリリーと見ながらお互いに守り合うことを誓うシーンはじんわりと感動的。
みんな本人が本人役を演じているらしく、ドキュメンタリーに近いのかと思ったけど、演出は控えめながらもとにかく自然や馬たちが大変美しく、映画としてはドラマ性があったように感じた。
ラストのブレイディの選択も、また新しい一歩。
心と身体。喪失と再生の物語。