風ノ助

ノベンバーの風ノ助のレビュー・感想・評価

ノベンバー(2017年製作の映画)
3.5
エストニアの貧しい村では悪魔と契約して魂を吹き込まれた生活用具で作られた“クラット”を使って互いの物を盗みあって生活している

精霊や人狼がいたり死者が戻ってきて家族と食事したり魔法が使えることが当たり前の世界
ヘリコプターのように変形して牛を運ぶクラットはここだけジブリみたいなレトロフューチャー感がある

狼が薄氷の張った水を飲むところや凍った木を下から映す画はモノクロならではのコントラストが際立って美しかった
青年がクラットの話に魅入られてイメージするゴンドラの映像も幻想的で素敵でした
水の話も良かった
ここはカラーで見たかった
綺麗なだけじゃなく醜悪なところも結構あってそこはモノクロでよかったと思いました

悪魔を使って暮らしている村人は代償として幸せにはなれないし恋愛も成就しない
目先の利益だけに囚われる哀れな人たちを描いた御伽話でした
ストーリーには入り込めなかったけど映像は綺麗で世界観やテイストは好き
風ノ助

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