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ジョゼフの息子のnagashingのレビュー・感想・評価

ジョゼフの息子(2016年製作の映画)
3.5
精妙かつ厳格なフレーミングとレイアウト、抑揚を欠いた役者の演技に、正面切り返しの多用など、シネフィル向けの目配せが不自然であまりハマらず。物語が聖書を下敷きにしていることもあいまってひたすら人工的。しかし、パリからノルマンディーの田舎へ舞台が移ると、露骨すぎる神話・宗教的寓意が前近代的かつ匿名的な空間のなかでとたんに活きまくり善性への導きを強烈に支援。そのあまりの真っ当さに感動してしまった。小津やブレッソンを引き合いに出すのが妥当なのかは不明。
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