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彼らは生きていた/ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールドのlily0x0のレビュー・感想・評価

3.9
劇場見逃し作品でした
やっと鑑賞
第一次世界大戦の当時の貴重な記録映像と共にイギリス軍として戦い生き残った兵士たちの生の言葉で当時のことが語られます。
フルカラー化とフィルム間の補正もしたようで100年前の映像とは思えないほどの滑らかさになっています。
監督はロードオブザリングで知られるピータージャクソンとのこと。
観てよかったです。

以下ネタバレ含みます。


ずっと白黒で進んだ記録映像ですが、本編25分ぐらいから急に色鮮やかなカラーになります。
いよいよ前線に行くといったシーンから急にカラーになり、音声も入ってきて、自分も戦場に入ったかのように気分が高揚してくるのがわかりました。
まず1917や西部戦線異常なしで見た映画のような世界が、むしろ現実としてそこにあることが凄かった。
急に当時に自分もタイムスリップしたかのような映像に引き込まれていく感覚がありました。
当時、本当に戦った兵士たちの表情や声までもが、ここまで記録として残っていること、またこんなに綺麗な映像作品を製作してくれて私たちに見せてくれてありがとうという気持ちでした

やはり戦場のシーンは映画でも印象的ですが、ここまでその戦いの裏にあるエピソードや、心情を生々しく知ることができるのは、当時経験した兵士たちの声だからこそだと思いました。

戦況が落ち着いているときは、友人とキャンプをしているからのような楽しさがあったり、(少しの危険もスリルになると…)隣にいる男が親友になったりとか、想像できないような意外なことまで話してくれました。
勤務形態も知らなかったので、4日の勤務を終えたら1週間休みがあるというの勉強になったし、トイレ事情やネズミの話など、ここまでリアルに生活が浮き立って見えたと言うのは初めてで、全てが新鮮な話でした

戦争が終わってきて、故郷に帰るのが怖いという気持ちや、誰も戦争の話をしたがらず、姉妹にはどこに行ってきたなと言ってくるような能天気な人もいて、戦地で、命がけで頑張ってきて、友達を失った辛い思いをした人たちなのに、これはないよなぁと辛くかなりました
帰還兵の応募お断りと明らかに働き手の道が妨害されていたりと戦争が終わってからの苦悩も理解ができてよかったです

貴重な映像と実体験をうまく組み合わせており、見応えがある作品でした
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