ざわ

人間失格 太宰治と3人の女たちのざわのレビュー・感想・評価

3.0
これはただただ私の事前イメージと合わんかったな。not for me ってやつですね。

小栗旬が太宰にしては強そうすぎるんよな。
自分でも道化って言ってるけどもっとなんかプライドかなぐり捨ててへらへらした泣きそうなボロ雑巾みたいなイメージ(失礼)だった。

高良三島に「嫌いです」と言われたときも、「そんなこと言って本当は好きなんだろ」はあんな殺意剥き出しじゃなくてもっと泣きそうに弱々しく言ってるイメージだった。そして「じゃあ来なけりゃ良かったじゃないか…」のところまで言って欲しかったなぁ。

サッチャンももっとチャキチャキしてるイメージだなぁ。
サッチャンに言ってた「死ぬ気で恋する?」も、原典だと確か「死ぬ気で恋愛してみないか?」だったんだよな。あれだけ愛と恋の違いについてあれこれ作中で言ってたんだから、そこでそう改変するのはダメじゃない??となってしまった。

あと、イメージによる勝手な幻滅なんだけど静子さんの家(っていうか斜陽に出てくるあの家)は読んでる時は白基調のもっと光溢れるイメージだったので私の想像が蜷川テイストとは絶望的にかけ離れてるんだわ…。

キリスト教的モチーフがままありましたね。太宰作品たくさんキリスト教出てくるしね(しかしさほど読んでない)。ダイレクトな聖母子の他にも安藤忠雄の茨木の教会のような窓の十字架とかね。
静子さんはまあ絵の通り(あるいは『人間失格』に出てくる娼婦としての聖母マリア?)聖母子だとして、美知子さんと子供たちも聖母子だよなぁ。青い服はたしかマリアのアトリビュートだし。(なんなら作中であれだけ花使うんならこれもマリアのアトリビュートである百合も上手に使えば良かったのにね?)
そしてサッチャンはマグダラのマリアかな〜。編集の佐倉くんは駆け込み訴えかな〜〜。

佐倉くん、これ"太宰治と3人の女"じゃなくて"3人の女と1人の男"じゃん?って思いましたね。十分愛憎争奪戦にエントリーできるよ。

音楽、ここでこれ流すん…?えぇ…?ってなることが多かったのでたぶん良い悪いではなく感性が合わないんだと思います。

あと、割とどうでもよくてどうしようもないことなんですが、太宰治って手が綺麗なんですよね。すらっと細長くて。でも小栗旬の手は結構ゴツゴツで厚めの手でした。それはそれで良いんだけど私の太宰のイメージとは違ったな。


これは完全に願望なんですが、私の推しの檀くんを出してくれ…。太宰治檀一雄織田作之助中原中也坂口安吾あたりで作ったら面白いのにな。
ざわ

ざわ