コモモ

ジョジョ・ラビットのコモモのレビュー・感想・評価

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
4.5
ナチス少年のイマジナリーフレンドが、
ヒトラー!!

しかも、タイカ監督自ら演じるヒトラー。
(ユダヤ人のルーツをもち、かつて虐げられていたマオリのルーツも持つ、タイカ・ワイティティが演じるという痛烈な皮肉)

タイカ節炸裂だなぁ!
という、期待と同時に

子供がかわいそうな映画は、今、しんどいなぁ。
という不安を持って映画館に行きました。

結論。
めっちゃおすすめ。

しんどくなかったです。
むしろ、ゆるく笑えるくらいでした。
なのに、後からじんわりくるんです。

映画館の雰囲気も、同じ感じでした。
穏やかに、優しく、少年を見守る感じ。

悲しいシーンも、押しつけがましくないので、ホロリとくる感じ。

なのに、エンドロール。
誰も立ち上がりませんでした。
立ち上がれなかったんじゃないかなぁ。

流れてくる文字を眺めながら、涙があふれてきました。時間差で、きいてくるんです、色々が。

やばい、タイカ・ワイティティ。
本当に、やばい。


俳優陣も、全員、神がかっていて、
愛すべきキャラばかりです。

主人公は愛らしい上に、親友の子はさらに愛らしいし、母親役のスカーレット・ヨハンソンは、アカデミー候補納得の演技だし、サム・ロックウェル…!!あの人、なんなんですかね…!!好きです!!!今は、名前を聞くだけで涙が滲んでくるんですけど…!!

そして、タイカ・ワイティティ。
あの役を演じられるのは、やはり脚本も書いた監督自身にしか無理ですよね。
発する言葉、全てに意味がある。


という、絶賛しかない私の感想でございます。

まあ、タイカ節が駄目な人には、退屈な映画だろうとは思います。もっとドラマティックなものが見たかった人とか。


私には、逆に、このゆるさが
どんなに悲惨な状況であっても
愛とユーモアだけは、我々から奪えない!
という、ワイティティ氏の気概だと思いました。
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