とても暗い題材を取り扱っているはずなのに、ほぼ全編に明るい雰囲気があり、爽やかな視聴感を得ることが出来るのは、監督が題材を料理する事がとてもうまいからだろうと思った。
少年の感情や変化に徹底して向き合っているからこそ、急な雰囲気の変化に面食らわないでいいし、同じ視点で物事を受け取ることが出来る。臆病者のラビットだからこそ少年に感情移入出来るし、ラビットのまま成長したからこそ彼は自由になれたのだろう。
自分から自由を奪っているのはいつだって自分自身だとこの映画から教えられた。少年にとってはその自分自身が頭の中のヒトラーだったはずだ。