粗忽者さんの映画レビュー・感想・評価

粗忽者

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TENET テネット(2020年製作の映画)

3.8

複雑で知的なSFサスペンスとして「インセプション」にも並ぶ完成度を誇っていました。
時間の順行、逆行が入り混じる難解なスペクタクルを映像として表現できる監督はノーランだけでしょう。映像面やコンセプトに
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バケモノの子(2015年製作の映画)

2.9

途中までは楽しんでみれたが、中盤からは主題が絞りきれずに、とっ散らかってしまった印象を受けた。

劇中で目立った「白鯨」を読めばまたこの作品の違った側面が見えて、評価に影響を与えてくれるのかも....
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2分の1の魔法(2020年製作の映画)

4.4

今作はユーモアセンスがずば抜けて良いと思った作品でした。ピクサーのユーモアセンスは常に素晴らしいのですが、今回は特に顕著だった気がします。絶妙な前振りと的確なタイミングでの回収のオンパレードは製作陣の>>続きを読む

リズと青い鳥(2018年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

とんでもなく繊細な作画にまず度肝を抜かれた。表情と動作で見せる心情表現の演出も感覚的に理解させられるレベルに落とし込まれていて、ただ見てるだけで涙が出そうになった。

物語としては劇中劇のモチーフを多
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コラテラル(2004年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

自分の意思でアクセルをベタ踏みするマックスの姿に勇気が湧く。

なぜか強くファイトクラブを思い出した映画。あの作品みたいにヴィンセントもマックスも同じ人物から出てきたものだとしたらとても面白いと感じる
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悪女/AKUJO(2017年製作の映画)

3.8

顔と長回しについて

多くの映画を観ていても、鮮烈に印象に刻まれる冒頭シーンというものがいくつか存在する。この映画の冒頭がまさしくそれに該当する物だろう。

主人公は一人称視点でとにかく殺戮のかぎりを
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アンドリューNDR114(1999年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

今まで見てきた中で一番、死を優しく描いた作品。

序盤のアンドロイド的なやり取りがユーモラスだが、時を経るにつれ少しずつ会話も人間じみてくる所にスタッフの作り込みを感じる。

マイ・ブックショップ(2017年製作の映画)

4.0

他人や本から大切な事を学ぶ事が出来る人間と、自分にとっての美徳や勇気を他人に預けてしまう人間達の戦いを描いた作品。

読書をする人間は現代ではとくに少数になっていて、さらに信憑性を帯びたお話になってい
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

4.2

この映画を一言で表すなら「使命」だと自分は確信している。執拗なまでに長回しにこだわる事からその一言が自分の頭に浮かび上がって来た。

「使命」とはその名のまま「命を使っても成し遂げなければならない事」
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.4

とても暗い題材を取り扱っているはずなのに、ほぼ全編に明るい雰囲気があり、爽やかな視聴感を得ることが出来るのは、監督が題材を料理する事がとてもうまいからだろうと思った。

少年の感情や変化に徹底して向き
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

-

芸術作品においては「不快」さえも「美」になると再確認させてくれた作品。点数をつけることが出来ない、記録よりも記憶に残る映画だと言ってもいいかもしれない。

「日常」と「カルト」の対比が軸にあって、その
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ジャックは一体何をした?(2017年製作の映画)

3.1

なんでこれで17分観れるのか意味不明。
中身があるのかないのかすらわからない会話劇。短編の純文学めいた魅力があります。

赤ひげ(1965年製作の映画)

3.7

黒澤明には珍しく幾つかの短編の積み重ねによる長編映画。終の字が見えた時、1クールの質の高いアニメを一気見した時のような満足感が得られた。

やはり脚本には普遍的なものがあり、今見ても痛快かつ考えさせら
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ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!(2007年製作の映画)

4.3

とにかく笑える。セリフと編集のテンポが最高です。主人公二人の友情描写も見ていて微笑ましく、感情移入出来ます。基礎をしっかりと抑えた上で質の高い笑いを展開する良作であると思います。

レミーのおいしいレストラン(2007年製作の映画)

5.0

レミーが兄に向かって、料理の素晴らしさを力説するも、まるで響いていないシーンを観て、自分はこの映画を人生のマイベストに入れました。

夜のとばりの物語 醒めない夢(2012年製作の映画)

3.4

前作同様に素晴らしい世界観。舞台裏のやり取りから既に面白く、引き込まれる。
「これがやりたい」から始まる創作はなんと素晴らしい事だろうか。

しかし、前作に比べると個々の話はパワーダウンしている様に思
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マグニフィセント・セブン(2016年製作の映画)

3.5

「七人の侍」のリメイクとしてみるのではなく、エンタメ西部劇大作としてみると面白いと思います。

もちろんこの作品はこの作品で自分は楽しめました。バトル漫画じみたキャラクターがとにかくかっこいいです。戦
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ジャッキー・ブラウン(1997年製作の映画)

2.8

タランティーノで唯一好きになれなかった作品でした。時間を置いて再チャレンジしたいと思っています。

インディー・ゲーム:ザ・ムービー(2012年製作の映画)

3.5

自分の原点を理解して向き合っているクリエイターは本当に強いと思う今日この頃です。

サマー・オブ・84(2017年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

終盤でかなりひっくり返してきました。癖になる後味の悪さにハマります。人の心の中は覗いてはいけないという教訓としても受け取れるお話。行動した者が勝つという不文律もこの映画には通用しなかったです。本当に素>>続きを読む

ハッピー・デス・デイ 2U(2019年製作の映画)

3.4

また新しい続編の形かなと観ていて思いました。ツリーは1での出来事を受けて成長しているし、その成長に応じたさらに厳しい試練を突きつけられるという内容は前作からの分かりやすい「パワーアップ版」の見せ方であ>>続きを読む

ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)

2.7

殺人とアートのお話という事で、かなり期待して鑑賞したのですが、あまり自分には合わなかったです。

自分の期待としてはもっと突き抜けた内容でイカれているはずの主人公に感情移入してしまうようなストーリーだ
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ハッピー・デス・デイ(2017年製作の映画)

4.5

「ライアーライアー」「イエスマン」と同じタイプの人間ドラマ系コメディだと自分は感じた。本作でも名前が出た「恋はデジャヴ」は観ていないが、おそらく同じような系統の映画だと思う。特殊な状況下に置かれた人間>>続きを読む

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

Blu-rayを購入し、吹き替えにて再鑑賞。「ウルフオブウォールストリート」と同じく。加瀬さんの声に引き込まれる。

自分は若輩者の映画鑑賞ビギナーですが、この作品は3本の指に入るくらいに好きな映画で
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アナと世界の終わり(2017年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

「サンタの死」がこの映画が伝えたいことの全てであるように思えた。多くの痛みを受け入れて大人になるための物語であると捉えるとまた観え方が変わってくるとても変な映画。ただのミュージカル版ショーンオブザデッ>>続きを読む

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

4.3

静謐な激情が画面から溢れていた。
そしてそれを亡霊のようにただ眺める事しかできない映画体験は唯一無ニであると感じました。

表情がないのに伝わってしまう幽霊の感情、説明せずともわかる時間の経過などは全
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.6

 2020年の最初の映画館体験をこの作品で迎えられた事に喜びと不安が混ざった心境です。そのくらいこの作品は素晴らしいものだと思います。2時間10分の間つまらない瞬間が無いくらいに洗練された画面と話の構>>続きを読む

火垂るの墓(1988年製作の映画)

-

 大学の講義の課題として出たため勇気を出してやっと試聴しました。原作よりもずっしりと心に来て、画面から目を逸らしながらもなんとか完走する事ができました。観た結果、観てよかったなと思います。

 この映
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クロース(2019年製作の映画)

4.3

 これまたセンスのあるアニメ。「なくした身体」といいこれといいNetflixの海外アニメは最高です。
 今年は特にアニメであっと言わされた事が多い年でした。様々な傑作を観てきましたが、この作品はそれら
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沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

4.6

 これぞ傑作......
 重くて、長い話なのに、ずっと画面に集中できて、まるで時間の流れを感じさせません。それほどに映像の高級感が溢れていて、すべてのカットが美しく見える程です。

 最近、この作品
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スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(2019年製作の映画)

3.9

 見事にブランドの大きさに恥じない完結編を見せてくれました。EP7を経て期待していた物をことごとく見せずに終わったEP8からここまで堂々とした良作を作り上げるJJエイブラムスの洗練された手腕にはとにか>>続きを読む

ナイトメアー・ビフォア・クリスマス(1993年製作の映画)

3.7

 ジャックはアニメーション史上においてトップクラスでデザインのいいキャラクターであると勝手に思っています。実際に見てみると、デザインのみならず性格においても可愛げがあり、本当に素晴らしいキャラクターだ>>続きを読む

かぐや姫の物語(2013年製作の映画)

3.8

 映像は間違いなく日本のアニメーションの極地の一つだと思います。中盤、かぐや姫が屋敷から逃げ出すシーンにはまさしく度肝を抜かされました。
 原作、表現方法、媒体など全てにおいて日本を詰め込んだような作
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失くした体(2019年製作の映画)

4.1

 とにかくセンスのいいアニメです。題材、アニメーション、演出、脚本、音楽、全ての面において高いセンスを感じます。もっとこのような作品が増えて欲しいと個人的に願っています。
 絶対に近いうち、もう一度見
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ポカホンタス(1995年製作の映画)

3.5

 ディズニーによる手描きアニメーションのクオリティの高さに驚愕しました。まるでCGかと錯覚してしまうくらいに滑らかに動く絵は昨今のディズニーのCGアニメーション信仰を残念に思わせてしまう程に素晴らしか>>続きを読む

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