複雑で知的なSFサスペンスとして「インセプション」にも並ぶ完成度を誇っていました。
時間の順行、逆行が入り混じる難解なスペクタクルを映像として表現できる監督はノーランだけでしょう。映像面やコンセプトについては満足いく作品です。
しかし、脚本面においては「難解」というと聞こえは良く、言ってしまえば「説明不足」であるようにも思えました。この作品においては「理解を楽しむ側面」と「難しくて作品に置いていかれる側面」は必ずしも一致しないです。
「メメント」「インセプション」「インターステラー」と時間を主題に作品と格闘してきたノーラン監督ですが、ここに来て一つまた大きな答えを出したような気がします。一種の集大成というやつなのでしょうか。