邦画が避けがちなこの手のテーマを、実名を伏せたとはいえ映画にしたって気概を買う。
“この国にはカタチだけの民主主義で充分”
そんな空気が充満する中で内閣府職員として流れに抗わんとする男。妻との間に生まれた愛娘に誇れる生き方を選択しようとする。
対する新聞記者は、同じくジャーナリストだった父の面影を探す。尊敬する父の誇りを取り戻す戦いに身を投じる。
ジャーナリズムの役割とは?という壮大で硬いテーマと、
親として子として、大切な人に誇れる自分でありたいし世界でありたいという個人的な希望の両立。
どちらかといえば静かで地味な映画ながら、めちゃくちゃ意欲作だと思う。
これに主演張る松坂桃李と、藤井監督が凄い。。
(ただ、これ見て「政府って怖い」とかって丸呑みしてしまうあまりに正直な思考こそ我々は危惧すべきだと思います。もちろん全てがフィクションじゃないけど、全てが真実かのように思い込むのもそれはそれで思考停止)